当たるも八卦、当たらぬも八卦と言われる占いですが、占い師とはどのような存在なのでしょうか。
そして占い師と言えば、ミステリアスな雰囲気で、水晶玉といった道具を持ち、ベールやローブに身を包まれた姿というイメージで、近年では、電話占いといった形で、対面ではなくても占いができたりします。
ただ、歴史を紐解くと、それなりに長く、物語で言えば、街角で小さな机に座った謎めいた老婆が、主人公を導く存在だったり、歴史に登場することも多いです。
そんな占い師という存在にスポットライトを当て、今回は、あまり知られていない占い師の存在や、歴史的にその経歴について説明したいと思います。
日本古来の占い師の姿とは
古代の邪馬台国の女王 卑弥呼(ひみこ)が占い(鬼道)を行っていたとの記述が「魏志倭人伝(ぎしわじんでん)」等の中国の史書に残っています。
6世紀後半に中国から制度や文化が渡来すると同時に、亀卜(きぼく)や易占(えきせん)、式占(しきせん)などのさまざまな占い方法も伝わり、それらを扱う神祇官(じんぎかん)や陰陽師(おんみょうじ)、宿曜師(すくようじ)が活躍しました。
国の政治にも用いられていた理由は、こういった呪術的な行事を執り行うことで、より人心を掌握したり、権威を高めたりする目的だったと推測されています。
つまり、6世紀後半にはすでに占い師が世界各国に存在しており、はるか昔から呪術的な行事を執り行ってきたのです。
占い師が古今東西で存在していた理由とは?
占い師が古今東西、色々な場所で存在していた理由はなんでしょうか。
はるか昔から、占い師は権威性のある位の高い存在でした。
占いそのものは、現代においても、科学的根拠が認められてはいませんし、また、統計学と呼べるほど、学術的に明確なデータも持っているとは言えません。
しかし、古代や中世においての科学や、学問の発展に、寄与していたことは事実で、占い師が政治の世界に存在したことも間違いありません。
例えば、ヨーロッパでは魔女と呼ばれる女性(まれに男性)が存在し、大々的に迫害された過去があります。
そして、たびたび、古くから伝わる民間療法の技術を有していたのもあり、科学的証明が存在しなかった時代には、人を導いたり、助けたりする能力を持つ人は、ありがたい存在として道を示す存在として親しまれてきました。
その存在は尊く、また神に近い存在として、権威者から愛されたと考えることができます。
占い師が全国に存在していたのも、人に必要な存在だったからに他なりません。
庶民が占い師になれる時代に!
このように、占い師というのは、権威者から愛され、神に近い存在として尊い存在として少数しかいなかった歴史があります。
これはなぜかというと、古くは門外不出の秘術として限られた者にしか公開されていなかったからこそです。
今は、全国、占い師の数が急増していますし、占い師スクールや、電話占い師も存在しているほどです。
日本で今なぜこうなったのかというと、占いの知識や技術が急速に江戸時代に庶民へ広がっていったからです。
古い書物にもその姿は多く描写されており、人相見(にんそうみ)、手相見(てそうみ)、八卦見(はっけみ)などが現れだし、それらが現代に受け継がれています。
カウンセリングを取り入れる現代占い師
先述のとおり占いは、日本では江戸時代に庶民へひろがりました。
この頃、占い師の多くは浪人などがくいぶち確保のため、中国から渡ってきた専門書を片手ににわか勉強で占っていたのでは、と推察する識者もいます。
現代においても占い師はたくさんいますが、完全実力主義のシビアな世界となっています。
名乗るのは簡単、されど継続して人気を得ていくのはむずかしい職業と言えるでしょう。
そして、悩み多き人が多い、ストレス社会の現在では、代でもそうした「当てもの」としての需要は強いものの、相談相手としてのニーズも多く、そうしたことからカウンセリングを取り入れる占い師も増えてきています。
ただ、カウンセリングがクライアント(相談者)自身が答えを出せるよう内的に導いていくのに対し、占いはクライアント自身ではどうしようもない運や他人などの外的な要因について未来を鑑定するというものになり、真逆になります。
ただ、両方を組み合わせる利点はあり、時代のニーズに合わせて占い師もカウンセリングの要素を取り入れつつ柔軟に変化していると言えるでしょう。
まとめ
占い師は古くからの歴史がありますが、現代の占い師はお客さまからのさまざまな相談に対し、現状を正しくとらえて問題を整理し、占い、結果を伝え、アドバイスするまでがワンセットで、それもこれを短時間に求められます。
こうした要求に応えていくため、長期的なことを占うことができる方法と、人の気持ちなど短いスパンで変わっていくことを占うことができる方法、リピーターを作りながら、カウンセリングまでができる占い師が求められています。
最近では、パソコンなどを使って時間短縮を計るのも現代式の特徴といえますし、スマートフォンなどを使った電話占いや、スマホ占いが主流となっています。
今後も占いはどんどん発展していき、占い師の需要が途切れることはないでしょう。