亀卜占いとは、古代から伝わる占いで、皇位継承に伴う皇室の儀式「大嘗祭」の準備で行われると報じられた占いです。
代替わり直後こちらのカメの甲羅を使う占いの儀式が行われたのですが、東京・小笠原で希少なアオウミガメの甲羅を確保したことでも話題となりました。
こちらの亀卜占いについてご紹介したいと思います!
皇室で行われた亀卜占いとは?どんな儀式が行われた?
亀トって?なんでしょうか?
「亀卜」は「きぼく」と読みます。「亀」はもちろん亀のことで、「卜」は占いのことです。
古代日本の頃、国家の占いとして使用されていました。 簡単に言うと、亀の甲羅でする占いのことです。
古代中国で実施され、のちに日本にも伝えられ宮中や神社などで行われてきました。
現在ではどちらかというと馴染みの薄い占いですが、かつては国家の大事を決める占術として栄え、日本では陰陽道より格式のある占いとして尊ばれていた時代もあります。
どうやって占うの?
①まずは亀に感謝しながら甲羅を用意します。
②火で甲羅を炙りひびの入り具合で結果を見る
皇室で行われた亀卜占いの儀式ですが、5月13日に宮中祭祀(さいし)をつかさどる掌典長らが、「柳筥」という「亀卜」の結果を納める箱を持って「斎舎」に入り、そして、「火鑽具」という道具を使っておこした火で亀の甲羅をあぶり、ひびの入り具合から結果を定めたということです。
「斎田点定の儀」として、カメの甲羅を焼き、ひび割れの具合をみる古来の占い「亀卜」で、大嘗祭の中心儀式「大嘗宮の儀」に使う新穀を収穫する都道府県を東西から一つずつ選ぶために用いられたのです。
大嘗祭=新天皇が五穀豊穣(ほうじょう)と国家の安寧を祈る儀式。天皇が一代一度だけ臨む。初例は7世紀後半の天武天皇とされる。宗教的性格が濃いため、国事行為の「即位の礼」とは別に、皇室の行事として行われる。
ニュースでも報じられたこちらの「亀卜占い」。こんな儀式が現代にも行われていたことに疑問を感じた人もいるのではないでしょうか?
亀卜占いはいつからあったの?甲羅はどうやって用意するの?
亀卜は、じつは、大宝律令が制定された701年には行われていたといわれています!
こちらの亀卜占いをするために、宮内庁は天皇陛下の退位日が決定した昨年12月にはウミガメ保護・研究の拠点がある東京都小笠原村に協力を依頼したと報じられましたね。
そして、今年春に捕獲されたアオウミガメ8頭分の甲羅を確保しています。
実は、こちらのアオウミガメの甲羅は1987年にワシントン条約で輸入が禁止されています。
そして、各自治体では捕獲の規制が進むが、村の担当者は「長年の保護活動で産卵数が増加傾向にあり、皇室行事への提供も理解が得られると判断した」ということで、今回はこの皇室行事のため特別に提供されたということなんですね。
亀卜占いの歴史
古代国家において占いとは、政治的に必要な行事として重要視されてきています!
そして、古墳時代以前の日本では、鹿の肩甲骨を焼いてひびの入り方によって吉凶を占う方法が行われていました。
ウミガメの甲羅を用いて行うようになり、亀の甲羅を焼いて占うことを「亀卜」といいます。
亀卜で占うことは、国家にとってより重要であると考えられてきて、民間での占いではなく、亀卜での占いは、天皇の病気に関することや政治のために行うものとされてきました。
占いの方法は秘事であり、また口伝で伝えられるものなのでどのような方法で行うのかは謎が多く、研究者もその内容を今まで、詳しく知ることができませんでした。
しかし、「対馬亀卜談」という史料や占い師の子孫(岩佐教治氏)が存命していることなどから占いの方法や内容などがわかってきました。
今回は、ひびの入り具合から、結果を定める必要があるので、ひびが入りやすいように、分厚さは1ミリまで削ることが求められたそうです!
亀卜占いでは何が分かる?
亀卜の特徴は、個人の運勢や相性などを占う占術ではなく、国家の未来や政局、天皇の体調などを占う占術であることです。
また、神託を得るなど神事的・宗教的な意味合いが強かったことでも知られています。
個人が気軽に使える占いではないということを知っておいてくださいね!
まとめ
亀卜占いは、このように歴史のある占いであり、裏面に現れたひびをみて吉凶を判断します。
占い結果については、大正年間に記された『対馬亀卜談』(横山孫次郎 著)を参考にしているということ。政治としてはとても重要な占いであると考えられています。
このような古代からの占いがたくさんあるということもぜひ知識として知っておいてくださいね!